Outlook (New) と Outlook (Classic) の違いについて
Microsoftは、Windows版Outlookアプリを新しいバージョン(Outlook (New))に移行しつつあります。これにより、従来のOutlook (Classic)(Outlook for Windowsの従来バージョン)と、新しいOutlookの間でいくつかの違いが生じています。
1. Outlook (New) とは?
新しいOutlookは、Web版(Outlook on the Web)をベースにしたアプリケーションで、より統一されたデザインとクラウドとの連携を強化しています。Windows 11の標準メールアプリを置き換える形で導入され、従来のデスクトップ版Outlookよりも軽量かつモダンなインターフェースを採用しています。
特徴
・統一されたUI:Web版Outlookに近いシンプルなデザイン
・クラウドベース:ローカルデータの依存を減らし、オンラインでのデータ管理が基本
・Microsoft 365との統合:TeamsやOneDriveとの連携が強化
・PWA(Progressive Web App)対応:ブラウザ版とほぼ同じ環境で動作
・無料で利用可能:Microsoftアカウントがあれば利用可能(従来のOutlookは有料のMicrosoft 365が必要)
デメリット
・オフライン機能が弱い:完全なオフライン対応は限定的
・ローカルのPSTファイルが使えない(クラウドストレージが前提)
・拡張機能の互換性が低い(従来のVBAマクロなどが動作しない)
2. Outlook (Classic) とは?
従来のデスクトップ版Outlook(Outlook for Windows)のことを指します。Microsoft 365の一部として提供され、長年の機能を継承したパワフルなメールクライアントです。
特徴
・ローカルデータの管理:PST/OSTファイルの利用が可能
・高度なカスタマイズ:アドインやVBAマクロを活用できる
・強力なオフライン機能:クラウドと同期しなくても使える
・Exchange ServerやIMAP/POP3対応:多様なメールアカウントを統合可能
デメリット
・UIが古め:Web版と比較するとやや複雑なインターフェース
・Microsoft 365が必要:無料では利用できない(サブスクリプションが必要)
・起動や動作が重め(特にデータが多いと影響)
3. どちらを選ぶべき?
用途 | おすすめのバージョン |
---|---|
クラウド中心のメール管理(OneDrive, Teamsを多用) | Outlook (New) |
シンプルなUIが好き | Outlook (New) |
オフライン環境でもフル機能を使いたい | Outlook (Classic) |
VBAマクロやアドインを活用する | Outlook (Classic) |
複数のメールプロトコル(IMAP/POP3)を使用 | Outlook (Classic) |
結論
- クラウドベースで、軽量・モダンな使い勝手を重視するなら「Outlook (New)」
- 高度なカスタマイズやローカルデータの管理をしたいなら「Outlook (Classic)」
4. Outlook (New) への移行の流れ
Microsoftは、2024年後半〜2025年にかけて、新しいOutlookを標準化する予定です。現在、Windows 11では「Outlook (New)」が標準のメールアプリとしてインストールされており、Classic版の廃止に向けた移行が進行中です。
しかし、現時点ではClassic版を引き続き利用することも可能であり、エンタープライズ環境ではClassic版を維持する企業も多いです。
5. Outlook (New) に切り替えたい場合
- Windows 11ユーザーの場合:
- スタートメニューで「Outlook (New)」を検索
- 「新しいOutlookを試す」をクリック
- 切り替え後、従来のOutlookに戻すことも可能(ただし将来的には廃止される予定)
- Windows 10ユーザー:
- Microsoftの公式サイトから新しいOutlookアプリをダウンロード
- インストール後、Microsoftアカウントでサインイン
まとめ
・Outlook (New) は軽量でクラウド中心のメールアプリ
・Outlook (Classic) は従来の機能をフル活用できるデスクトップアプリ
・どちらも一長一短があり、用途に応じた選択が必要
・Microsoftは将来的に「Outlook (New)」への移行を進めているが、「Classic」も当面は併用可能